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■「しけ」、「つけ」と「はり」 |
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横須賀のまつりでは左を「しけ」,右を「つけ」という.「しけ棒」といえば左の楫棒を意味する. 今でも大門組では聞かれるのだが,楫頭が「しけ!」と言えば左に山車を向けることで,「つけ」は逆に右に山車を向けるのである. 「左」,「右」と指示している組もあるのだが,さて楫取りははたしてどちらが理解しやすいのであろうか. 語源は今のところ判らない.何か専門用語なのだろうか、ご存じの方はご教示いただきたい. 亀崎では山側に山車を振る時に「ヤマイッ!」、反対に浜側は「ハマイッ!」これは直感的で優れた方向指示だと思う.山と浜に対し直角に進行している時は、その直前ルールが継続するのだそうな. 5年に一度のはんだ山車まつりで、地元の山浜から遠く離れた場合にどうなるかは、聞き漏らした. 横須賀、亀崎以外での方向指示は「左」,「右」が大半である.
ところが、大門組だけは進行方向左へ曲がるときには、左肩で担ぐのである.理にかなっているとは思うのだが. この大門組、他にも独自の伝統があることから、あるいは他組と違う起源があるのかもしれない. 「しけ,つけ」とは全く関係ないが、「ハリ」という言葉がある. これは,山車前方から見て前楫がハの字形になって山車を進めることをいう.腹を張るからハリなのだろうか. 広い本町通りをハリで進むのは,観客に見られる事を意識した一種の美意識であろうし,ハリで同盟の交差点に入ってくる姿は緊張感があってよいものである. これと同じ事を本町組では「ヨツ」と呼ぶが,公通組で「ヨツ」といえばこれまた別の意味になる.組毎に方言があるのでややこしいのだが,これも伝統なのだ. |
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