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不思議な虹梁(こうりょう)
知多型の山車では多くの部分に,この虹梁が見受けられるが,名古屋型には少なく,屋根を支える四本柱の上部に見ることが出来る. このような厳密な意味での虹梁ではないかもしれないが,公通組圓通車の後部出入口に虹梁が使われている. この部分は幕で見えないので,一般的には素木の角材でよいのだが,圓通車は幕格子が高いためにこの虹梁が露出している. このようになった山車は,私の確認した限りでは,他に東海市大田の荒古組の山車があるのみである.華美な装飾彫刻を多用している知多型の山車でもここを虹梁にしている例はない. また,本町組と大門組の山車も同様な位置に虹梁が使われている.ところがこの2車は幕格子の取り付け位置が虹梁より下にあるため,幕を付けると見えなくなってしまう. 折角の装飾が意味をなしていないのである. 圓通の山車を側面から見ると後ろの幕格子が高い位置にあるのがよくわかる.これは台輪から一段高い位置に床があるからなのだが,本町組や大門組の床は高くなっていない.バランスを考えたのだろうか,建造当初の位置より下に幕格子を取り付け直したために,隠れてしまったのかもしれない.不可思議な事ではある. 興味のある方は,土用干しなど幕の付いていないときに,ご覧になるとよい. なお,本町組の虹梁の下面には溝が2本彫られており,対応する台輪部分も同様に溝がある. これは,かつてこの部分に開き戸があった名残だが,現在では使われていない. 大門組の山車には,さらにもう1ヶ所虹梁が見られる.それは山車の正面にあるのだが,前棚の飾りの後ろの目立たない位置にある.未確認だがこの虹梁は柱に届いていないようにも見える.機会があったら確認してみたい. |
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