尾張の山車まつりへ [どんてんぐるま]−[ゆうしゃぎり]

  ゆうしゃぎり

 横須賀の囃子は10数種の囃子曲が伝承され,山車の動き・場所・時間によって演奏する曲が決められている.尾張地方で代表的な山車囃子は「車切(しゃぎり)」だろう.この「車切」は狂言の「大般若」が原曲で,尾張中ほとんどの山車で聞くことが出来る.

 もちろん横須賀でも車切は演奏されるが,道行きに演奏される車切と「どんてん」で演奏される車切は区別されていて,前者を「ゆうしゃぎり」という.
「ゆうしゃぎり」は夕車切、緩社切、悠社儀り、緩車切りと,なぜか4町内バラバラの書き方をする.名古屋近辺の車切に比べて曲調をやや緩やかにして演奏され、最もなじみ深い横須賀まつりのメインテーマ曲といってもよいだろう.
 各組ともに似ているが細部に違いがあり,曲のテンポも異なる.特に公通組はゆったりと奏し,本町組は逆に軽快に演奏している.
また,囃子言葉も本町組,北町組は「ソーレ」,大門組は「イョ〜」と特徴がある.公通組は「ゆうしゃぎり」では囃子言葉を言わない.

 この「ゆうしゃぎり」だが北町組と大門組には2曲伝承されている.主テーマ曲に対するアレンジバージョンである.
もうひとつの「ゆうしゃぎり」だが,北町組では山車が同じ道を引き返してくる際に演奏される.行きと帰りで変化を付ける為だろうか.北町組はこの曲を「狂言神楽」ともいうが、名古屋の狂言神楽とは全く別の曲である.

かたや,大門組の「第2ゆうしゃぎり」だが、聞いていると通常の「ゆうしゃぎり」からいつのまにか切り替わってしまう.場所とか山車の所作には全く関係ないようだから、笛方の気分次第であろう.聞かれたらラッキーである.
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