尾張の山車まつりへ [どんてんぐるま]−[房飾り]

  房飾り


現・本町組

現・北町組

現・公通組圓通車

旧・公通組圓通車

現・公通組八公車

旧・公通組八公車

現・大門組

旧・大門組
 横須賀の山車は前方が閉じている.これが外観上の一つの特徴にもなっているのだが、これについてはいずれ触れなければならない.
しかし,これだと山車の前方が赤一色になってしまう.これを嫌ったのか、前面に大きな房が2本飾られている.この房を詳しく観察すると房の位置や長さが各車違う事に気が付く.
 
 右の写真を見て欲しい.本町組は2本の間隔が狭く紐が長いが、北町組のものは広く短いのだ.
その理由は幕に書かれた文字にある.文字に重ならないように房を付けようとすると離して吊さざるを得ない.

 一般的に名古屋型の山車には幕の前面に町名や山車名が書かれている.
ところが,古くは横須賀の5台ある山車で,文字の書かれていた山車は北町組だけであった.近年幕新調の際に大門組,公通組圓通,八公の山車幕に文字が入れられることとなった.
 しかし,文字を入れようとすると,房の位置が旧来のままでは都合が悪いのである.特に圓通の場合は,元々房の間隔がかなり狭かったために,間隔を広げないと文字が小さくなってしまう.
写真を参照していただければ一目瞭然であるが,ほぼ北町組と同じ配置になった.これで圓通車の印象は大きく変わってしまった.
八公も同様だが,文字が入った以外は差違は少ないようだ.少し房が長くなっているかもしれない.

 大門組の旧形態は独特であった.幕の途中から房が下がっているのだ,先年新しい幕に替える際に他の山車と同じように改められてしまったが残念ではある.大門組の房には現在でも不思議な事があるのでこれは次回以降.

 一方本町組が幕新調の際にも,町名を入れることをしていない.聞けば,旧来の姿を踏襲したかったのだという.
尾張の山車で町名・山車名の記されていない数少ない例が本町組の山車.
房だけのほうが、すっきりして山車が高く見えるのは気のせいだろうか.いずれにせよ希少で珍しいのはよいことである.
 北町組の「北町」の文字は誰の筆によるものかは判らないが,伸び伸びとしたよい文字である,書体・太さ・文字の間隔・配置など非常によく考えられている.
一方圓通,八公,大門の文字に妙な違和感を感じるのは見慣れないからだろうか.
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