壇箱護王の夢物語から
立川和四郎富重
制作年代不明
玄 宗
鍾 馗
 昔、中国の唐の頃のお話です.玄宗という皇帝がいました(后は有名な楊貴妃です)ある夜,玄宗皇帝が病気で寝ているとその夢の中で,虚耗という小鬼が現れ玄宗をからかいました.
 玄宗皇帝は、夢の中で「誰か!」と叫んだところ,役人姿の髭もじゃの大男が出てきてその2匹の鬼をやっつけてしまいました.
 目が覚めた玄宗皇帝が,よく調べてみるとその髭もじゃの男は,科挙に失敗して自殺した鍾馗とのこと.玄宗皇帝に弔ってもらったことを感謝し,そのお礼として助けに現れたのでした.
 この護王車は明治11年(1878)年に下半田南組から譲り受けた山車です.その後,下半田南組は何とか買い戻そうとしましたが果たせず,現在の山車に全く同じ「護王の夢物語」を飾りました.このとき,依頼された初代彫常は幾度も布土に通い現物を見て「力神」と「護王の夢物語」を完成させたといいます.