壇箱左「蝦蟇仙人」 立川常蔵昌敬
天保8年
壇箱右「鉄拐仙人」 立川常蔵昌敬
天保8年

 緻密な壇箱の左右に配された蟇仙人、鉄拐仙人です.
 蝦蟇仙人は諸説あり,終南山に仙術を学んだといわれる中国金代の劉海蟾説,宋の真宗皇帝の時代侯先生と呼ばれる薬売り説.蝦蟇を使って妖術を行ったとされる呉の葛玄説など.
 いずれにしても蝦蟇を自在に操った人物のようで,享保年間頃には江戸歌舞伎の演目にもなっていたようです.
 また,古くより鉄拐仙人とペアになって絵画の題材になっています.
 立川でも題材として多く用いられ,知多の山車彫刻では脇障子や堂山蛙股などに見られます.

脇障子「趙雲と阿斗」
立川常蔵昌敬
天保8年

三国志の一場面で長坂坡の戦いより,趙雲が阿斗を救出する場面です.