[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][亀]

第131回 亀

・亀の縁起

半田成岩東組「旭車」大幕

下半田南組「護王車」大幕飾り房
 古代中国では、祭儀に際し、亀の甲羅(や動物の骨)で占いをしていました。その甲羅に記された文字が甲骨文字と呼ばれ、漢字の起源とも言われています。
そうしたことから、古くから神聖視されてきました。千年たつと5色に輝き神霊の精となるという言い伝えもあります。
 また、鶴同様に仙人の乗り物ともされてきました。中国、前漢代の思想書「淮南子 説林訓」には諺の語源となる、亀が1万年生きるとこが記されています。
 日本でも祭儀に使われたとされる銅鐸にも見られ、古くから神聖視されてきたようです。一説には大地、或いは蓬莱山を支えているともいわれ、亀の甲羅の上に蓬莱山を乗せた絵画も見られます。
 長く生き、甲羅の後ろに海藻が着き蓑の様になった亀を特に「蓑亀」と呼ばれ、特に縁起が良いものとされました。実際に、亀は1万年も、生きないでしょうが、中には推定180年生きた亀も確認され、動物の中では、かなりの長寿のようです。古く、民話(浦島太郎 等)にも登場し、親しまれてきたようです。

・亀の山車装飾
 亀の山車装飾は鶴の水引に対しての大幕や蹴込みやゴマ隠しなどの彫刻類に見られます。空を飛ぶという、見上げる鶴に対して、水辺や地面を這うといった性格から、山車彫刻では下の部分が多く、鶴に比べ、比較的地味な部分に施されているのが特徴です。
主な亀の山車装飾をご紹介しましょう。
幕類
半田成岩東組旭車大幕 (水引の鶴と対)
東海市横須賀北町組水引幕
半田下半田南組大幕飾り房 (水引の鶴と対)
彫刻類
半田亀崎東組宮本車蹴込み 阿久比横松横社蹴込み
碧南鶴ヶ崎玉車蹴込み
半田乙川浅井山宮本車ゴマ隠し 半田亀崎東組宮本車ゴマ隠し
半田乙川西山神楽車ゴマ隠し
半田亀崎田中組神楽車持送り 知多市岡田奥組風車前山蟇股
半田乙川南山八枚虹梁

亀崎田中組「神楽車」持送

乙川南山「八幡車」ゴマ隠し


乙川南山「八幡車」八枚虹梁

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