[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][鶴]

第130回 鶴

鶴の縁起

成岩東組「旭車」水引幕

東海市横須賀「本町組山車」水引幕

常滑市大野橋詰町「紅葉車」水引幕
 古代中国では羽族(鳥類)の長として尊ばれてきました。(実在界の長で、霊獣を含めると鳳凰が長となります。)仙人の乗り物として重んじられ、仙人とともに生きる生命力は、一挙に千里を飛び、1600年たつと飲食もせぬ仙鳥となるとの伝説もあります。
また、鳥類で唯一、ヒマラヤ山脈を飛び越せる能力があるとも言われてきました。
 中国、前漢代の思想書「淮南子 説林訓」には諺の語源となる、鶴が千年生きることが記されています。
日本でも、吉祥の印とされ、白い羽「鶴髪(かくはつ)」を「白髪(しらが)」に例え、亀と共に長寿の象徴とされました。実際の鶴は、千年も生きることは無いですが、それでも、鳥類の中では長寿の方だそうです。
 古く、民話(鶴の恩返し 等)にも登場し、親しまれてきたようです。

 鶴の山車装飾は水引幕や追幕といった幕類から懸魚といった彫刻類など、実に様々な面に数多く、取り入れられています。
 鳥類といった、空を飛ぶという性格から、山車の見上げる部分の水引や懸魚に多く配されています。知多地方だけで、ざっと見ても、水引幕に11台、懸魚に8台とその数も多いです。これらの数は、鶴単独でのもので、鶴に仙人が乗った物を含めると更に増え、尾張地方に目を向けると、膨大の数になると予想できます。
主な鶴の山車装飾をご紹介しましょう。

幕類(水引・追幕)
半田乙川西山神楽車水引 半田岩滑新田平井組神明車水引
半田下半田南組護王車水引 半田成岩東組旭車水引
半田板山大湯組花王車水引 東海市横須賀本町組水引
東海市大田市場組水引 常滑市大野橋詰町紅葉車水引
武豊富貴市場組水引 美浜上野間四嶋組水引
半田協和砂子組白山車追幕 等
彫刻類(懸魚)
半田岩滑新田旭車前山懸魚 半田板山本板山組本子車前山懸魚
知多市岡田奥組風車前山懸魚 阿久比大古根八幡車前山懸魚
武豊長尾部市場神宮車前山懸魚 武豊富貴市原組縣車前山懸魚
美浜布土大池山王車前山懸魚 南知多町内海内福寺前山懸魚 等
 


武豊長尾部市場組「神宮車」前山懸魚

東海市横須賀公通組「圓通山車」上山懸魚

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