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第105回 台輪

 台輪を辞書で見ると次の様に出てきます。
だいわ【台輪・大輪】建築物や指物で、上の物を支え、下の物をおおう役割をする平たい横木。たとえば柱上にあって枡組を受ける盤、また、鳥居の柱の上にあって島木を支えるものなど。
 指物などでは箪笥がありますが箪笥の最下部、の足のような部分を台輪というようです。上記の解説にもある枡組を受ける盤は山車にも見られ特に桝台輪と呼ばれます。
 さて、一般的に山車で台輪といえば山車の基台の部分をいいます。内輪式が特徴である知多型では車輪部分を覆う様に台輪が構成されます。台輪内部には車輪の他に上山の迫り上げ車が組み込まれます。(講座「迫り上げ構造」参照)
台輪成岩西組「神車」 置台輪亀崎田中組「神楽車」
 台輪は四枚の板で構成されますが、前後のものを妻台輪「つまだいわ」といい、側面のものを平台輪「ひらだいわ」といいます。妻台輪は凡そ二本の貫で加工されます。平台輪は前後に妻台輪の貫を通す穴や七五三穴(七五三縄えを通す穴)が空けられます。前後の妻台輪を挟み込むように平台輪がつけられ、抜きを端栓で固めます。ちょうど四角い枠状になります。
兜金亀崎西組「花王車」 乙川殿海道山「源氏車」
 前部には曳綱の穴が空けられます。中には穴が無い物や金具によって曳綱を付けるものもあります。後部は上山の迫上げ綱の穴が空けられ、下駄箱が付きます。この下駄箱は山車への昇降の踏み台の役目もします。平台輪の上面には堂山柱を建てる穴が空けられますが、直接建てるのではなく置台輪と呼ばれる台が間接的に置かれます。(古式の山車では無い山車もあります。)古い山車の平台輪には堂山柱を留める穴が空けられている物がありますが、多くの山車では見られません。
 平台輪の端加工平台輪の両端は山車によって様々な加工様式があります。最も多いのが直角に加工がされたものです。古くは乾燥ひび割れを防ぐために木口を塗ったり、和紙を張ったものが見られましたが、現在、多くの物は兜金「かぶとがね」と呼ばれる装飾を施した金具を被せています。こうした兜金の木口面には山車名、組名などがよく入れられています。こうした兜金は妻台輪に端、貫の木口にも付けられます。金属製の兜金は台輪の端を保護する役目もしています。他には木鼻状に加工され、彫刻が施されたものです。そうした中でも最も多いのが唐草模様の木鼻です。それに続くのが獏鼻彫刻の木鼻です。乙川殿海道山源氏車のものは波の彫刻を施した珍しい物です。こうした台輪木鼻の多くは前部のみで後部は直角加工され上記同様な兜金が付けられたりします。前後部両端を木鼻加工された亀崎東組宮本車の台輪は珍しい
下半田北組「唐子車」
物です。また下半田北組唐子車のものは横から見ると唐草虹梁の様でもあり、幅は狭めてありますが直角加工で兜金が付けられています。木鼻様と直角様を組み合わせた複合型で特殊な例といえるでしょう。直角加工と木鼻加工の台輪の木取り木鼻加工の台輪は彫刻が施されていることもさることながら、直角加工の台輪に比べ幅の広い材木を必要とし、高価なものです。
常滑坂井「松尾車」 亀崎石橋組「青龍車」
平台輪と妻台輪の接合部 平台輪と妻台輪の接合部の多くは二本貫きで鼻栓で固める物ですが、武豊東大高のものは三本貫きになっています。常滑坂井などは三本貫きですが貫きの端が少し出ているだけで鼻栓も見られません。こうしたものは台輪を刳り抜き栓を入れています。突き出た貫きは結構邪魔ですがこうした加工は山車の台輪側面もすっきりし、利便性に優れた加工です。そうした面では亀崎石橋組青龍車も同様ですが。青龍車のものは金具によ
るもので装飾的にも優れ、唯一のものです。

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