[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][彫刻の題材〜四神]

第95回 彫刻の題材〜四神

 四神とは東西南北を守護するとされる神(霊獣、瑞祥を表すことから瑞獣ともいわれる)です。中国の道教で見られる思想で日本にも伝わり、陰陽道や神道に見られます。古くは古墳の棺室や鏡の柄(三角縁四獣鏡の四獣がそうです。)などに見られ、現在では神社の祭典にも四神旗と呼ばれる旗が飾られます。また神輿渡御の行列にも威儀のものとして付き添います。最近、流行りの風水も四神思想に基づいた物です。かの江戸城もこの思想により配置されているとか。
常滑北条「神明車」壇箱
横須賀「北町組」水引幕
 山車彫刻で代表的なものでは常滑北条の壇箱に見られます。亀崎の夏山車には「四神車」と山車名に使われています。亀崎石橋組の「青龍車」もそうですね。
 山車の水引(横須賀北町組など)で麒麟を含めた五つの霊獣のがありますが、麒麟、鳳凰、亀、虎で四瑞(四霊とも)といい、四神と四瑞を組み合わせたものです。
 さて四神について詳しく見ていきましょう。元々、陰陽五行説に基づいて選定されたようです。五行とすることから五つの霊獣がいるわけですが中央に黄龍、東に青龍、南に朱雀、西に白虎、北が玄武となり、中央の黄龍を除いた四方の霊獣が四神となります。
 青龍はその名の通り青い龍です。朱雀は霊獣では鳳凰、実在の物では孔雀に似ていますが朱(赤)色が特徴です。白虎はその名の通り白い虎です。幕末の白虎隊もここからきています。玄武は亀に蛇が絡まったものです。黒を表します。黒い石で玄武岩なんてありますね。
四神と五行説
亀崎石橋組「青龍車」
 五行説は森羅万象、あらゆる物を読み解く思想ですが、分かりやすく私達が普段日常生活で意識できるものを例に挙げて紹介しましょう。
 例えば東を表す青龍ですが、東は太陽が昇る方向ですね。太陽が昇る朝は一日の始まりで生き生きします。これから始まるぞ、頑張るぞといった感じですね。そういったことから若々しい感じです。「青年」「青春」とか使いますね。「ケツが青い」なんてことも。(笑)青いといえばガスコンロの火ですね。温度が高いと青色です。低くなると黄色になり赤色になりますね。落葉樹も同様のことが言えますね。初夏の季節は新緑、青です。秋になると黄色、赤色になって落ちますね。
 他には信号機、青色は進め、黄色は半ばで注意、赤色は止まれですね。こうしたことは自動車のライトも同様です。進む方向のヘッドライトは青色(見た目は青ではないですが、強い光は青色となります。)注意のウィンカーは黄色、後部のブレーキランプは赤色ですね。信号機や自動車のような近代的なものにもこうした無意識の識別が取り入れられているわけです。私達が感じる色の識別を読み解き思想として体系化したのが五行説であり、四神です。

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