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第79回 稽古上げ

 祭が近づくと何処の山車組でも囃子を始め、からくり人形、三番叟、祭歌などの祭芸能の稽古が始まります。(稽古始め)初心者は習得に努め、経験者は技術の上達に務めます。こうして祭当日へ備えるわけですが、練習の最終日を「稽古上げ」とか「稽古納め」といいます。稽古上げには囃子関係者だけでなく、他の祭の関係者を始め、組内の人々を招き、囃子の練習の成果が披露されます。
 また、囃子方への慰労と祭関係者の親睦のため宴会が行われるところもあります。私の地元常滑では、囃子の練習の成果を披露する場として囃子発表会が行われています。(厳密には練習の最終日ではありません。)現在は「常滑市伝統芸能囃子発表会」(トピックス2000に関連掲載)として全市上げて行われています。
   ―常滑市伝統芸能囃子発表会について―
 現在、常滑市で行われている常滑市伝統芸能囃子発表会は、常滑町(現在の常滑市常滑地区)内の六字の青年団、中でも囃子を担当する神祭組の人達が集り、囃子の技を競った「囃子大会」に由来します。六字とも異なる囃子ですが、その審査には大野町にあった太鼓屋さんを招いて審査し、順位を決めたそうです。
 戦後、青年団組織の解散と共に囃子大会もなくなりますが、昭和40年代後半より祭囃子の伝承を目的に新たな担い手として子供達への囃子の指導が行われます。
 六字全てで子供による祭囃子が行われるようになり、昭和50年に「第一回常滑地区発表会」が常滑小学校(現、常滑西小学校)体育館で行われました。その後、女子にも囃子の門が開かれ、「常滑地区少年少女囃子発表会」と名を変えました。
 その後、常滑市文化会館建設に伴い会場を移しました。数年前からは他地区からも参加を求め、各地区代表による「常滑市伝統芸能囃子発表会」となり全市上げて行われています。常滑地区だけでなく、市内各地区合同による囃子発表会は市内の囃子組織のよい交流の場ともなっています。
 備考
本年第25回というのは昭和50年常滑地区で行った囃子発表会が始まってからの回数で、常滑市伝統芸能囃子発表会としての回数ではありません。

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