[尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][下半田祭りの見所]

第33回 亀崎潮干祭の見所

 
 知多の山車祭りも大半が終了し残すは潮干祭や大野祭となりました。今年は乙川祭から雨にたたられています。やっぱり山車祭は晴天が一番。残りはぜひ晴れて欲しいですね。
 今回は半田市内の最後を飾る半田亀崎の「潮干祭」を紹介したいと思います。
潮干祭と独特な名称が付けられた亀崎の山車祭。県社と地元の人々が呼ぶ神前神社の祭礼です。祭神である神武天皇がこの地に上陸したとの伝承によるもので山車が神社前の海浜に曳き降ろされることからこうした名称でよばれます。
 伊勢湾台風以来堤防が築かれ曳き降ろしもできませんでしたが数年前から海浜公園として整備され海浜に曳き降ろされるようになり、海岸線は遠くなったものの古き当時の祭を偲ばせてくれます。亀崎は知多半島の中でも山車祭が早くから行われていたところで応仁文明の頃からとの伝承もあり山車祭り発祥の地とも言えるかもしれません。長い年月を掛けて築かれてきた山車祭で、この地で作られた山車が各地に譲渡され今でも活躍しています。山車を始めからくり人形など見所いっぱいの山車祭です。それでは五輌の山車を紹介していきましょう。
 亀崎の山車は海浜に降ろされるためでしょうか。他地区の山車に比べ台輪の幅が広く、梶棒が置台輪に乗っているのが特徴です。他地区の山車は堂山柱に付けられた感じで少ししか梶棒が置台輪に乗っておらず横に出っ張っています。
東組「宮本車」神様への畏敬の念?鳥をご遠慮
   宮本車は神社のお膝元の山車で他にはない特徴があります。普通山車の屋根に着く鬼板には鳥衾といった突き出た棒が付いていますが宮本車にはありません。変わりに経の巻きが付けられています。ちょうど丸めたお経を三本乗せた感じです。
 吹流しの頭も鳥毛ではなく陣笠を返して付けられています。どちらも鳥居に通じる鳥を遠慮したためのものです。
石橋組「青龍車」たった一輌の青幕の山車
 青龍車の大幕は青地に金龍の刺繍で他の山車と違った独特の感じがします。他地区でも青幕は見られません。大幕イコール赤と思っていた当時はこの山車を見た時は衝撃的でした。
といっても当時はまだ古い幕で白地でした。金銭面で染めることができなっかったとか、現在のものは数年前の復元新調されたものです
中切組「力神車」古式を残す極彩色の山車
 力神車は構造部分に塗りが施され古い形式を残しています。古く中切組の人が諏訪の立川に力神を依頼したとか。この山車から知多型の素木彫刻が広まっていったといえるでしょう。
田中組「神楽車」生きた化石「傀儡師」
 神楽車の上山からくり「傀儡師」は生きた化石といわれ。竹田近江が大阪道頓堀でからくり人形を興行した当時を偲ぶからくりです。まだからくり人形が山車の上に乗せられる前に興行で行われたいた頃のものと同様のものです。
西組「花王車」空中を舞う唐子
 花王車の上山からくり「桜花唐子遊び」は上山の桜の枝に付い平行棒を唐子が順に渡っていくものですが、一般に綾渡りと呼ばれます。
花王車のものは90度曲がる仕組みになっています。まっすぐ進んでいくものは各地にありますが曲がっていくのは全国でもここだけです。山車からせり出した桜の枝を渡っていく唐子の姿は空中をまっているようです。
亀崎については本当にいろいろ書きたいのですが文章の都合もありますので今年はこの辺で。
では、楽しい潮干祭を。県社前の山車の曳き廻しは威勢良く行われますのでくれぐれもお気お付けください。

先ほどのページに戻ります   [尾張の山車まつり]−[祭吉の山車祭講座][亀崎潮干祭の見所]