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第5回 山車彫刻

 知多半島の山車は大変多くの彫刻で飾られています。特に知多型山車の前面は名
脇障子
古屋型に比べ幕がないぶん、蹴込み、壇箱、脇障子など見ごたえがある彫刻が見られます。中でも現在見られる多くの知多型の山車には一台で200から300点にも及ぶ大小様々な彫刻が載せられています。
 しかし、現在でこそ多くの彫刻で飾られた山車ですが知多型の山車も、旧式のものに見られるように、知多型の発生当初の山車には、ほとんど彫刻が付いていませんでした。木鼻とか虹梁とか山車の構造上付けられた彫刻で、山車を建造する時宮大工が彫ったものでした。また、古い物には金色、極彩色の 塗がされているのも特徴です。知多型の山車発生当初から様々に構造が変化し現在の山車ができたわけですが、こうした構造の変化と共に彫刻の数も増えていきました。
 例えば当初、堂山の幅と同じ幅で立てられていた前山四本柱ですが、後に四本柱の幅が狭くなり、その両脇にできた空間に付 けられたのが脇障子です。彫刻も塗から素木で欅の木目を生かした立体感の彫刻が作られるようになります。
 また、諏訪の立川和四郎や半田の彫常と言った、宮大工ではなく彫師と呼ばれる彫刻専門の人達によって様々な彫刻が彫られるようになりました。その題材も日本の物や中国の物など色々あります。いったい何が彫られているか考えながら山車彫刻を見るのも楽しいかもしれませんね。彫刻の題材についてはまたの機会にお話します。
古式の知多型の山車
美浜町・布土平田組 平田組の前山
(平成10年8月12日 祭吉)

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