11-04-07更新

下半田南組山車からくり人形

半田市の下半田地区南組「護王車」に新しくからくり人形が乗せられる事になり、平成23年3月26日関係者に披露されました.
人形は二体で恵比須と大黒、そして宝袋からなる、いわゆる二福神のからくりです.

護王車とからくり人形の歴史

宝暦5年(1755)に九条家の依頼により尾張藩が取りまとめた記録「尾陽村々祭礼集」によると、下半田八幡宮の祭礼は8月15日に行われ『警護笠鉾2本、母衣5つ、山車三輛』が村中より社前に引渡されたと記されています.
さらに『1輌は獅子頭太鼓乗せ、1輌は唐子、1輌は恵比寿乗』とあり、この恵比寿を乗せた山車が南組の山車であったと思われます.

また嘉永年間(1848〜1854)には「護王車(先代)」が建造され、からくり人形の恵比須・大黒が乗せられていました.
この「護王車」は明治14年(1881)に上記のからくり人形や立川和四郎富重の彫刻「護王の夢物語」等とともに布土村(現美浜町布土)に譲渡され、現在も上村組「護王車」として現存します.

現在南組が所有する「護王車」は明治41年(1908)新たに建造されたもので、以後現在まで上山からくり人形は乗せられていませんでした.
今回新たに制作されたからくり人形は、九代玉屋庄兵衛の作で130年ぶりに復活したことになります.

このからくりは今年(平成23年)開催される下半田地区の祭礼でご覧になれます.


大黒人形(左)と恵比寿人形


宝袋変じて宝船となる


出樋の彫刻は雲作の「波と宝」、いずれ側面にも.

写真提供:コードネーム0031氏