平成18年乙川祭ポスターとカレンダー

06/01/17


早々と春の便りが届きました.
春一番半田市乙川の『乙川祭』ポスター.
今年は二番車殿海道山「源氏車」の立川和四郎富重と新美常次郎作の風神・雷神四枚の脇障子が主役です.


風袋をひるがえし空を駆ける風神
古くは“風伯”と呼ばれ暴風を司る
天衣をおどらせ足を踏みしめる雷神
“なるかみ”“いかづち”とも呼ばれ雷電を司る
目を見張り歯を剥き出した表情は恐ろしくもありユーモラスでさえあるこの神々
その災禍によって地を脅かし雨を導き
陽を導き四季の移ろいを導き
やがて大地に豊穣をもたらす

二番車 殿海道山 源氏車
現車は嘉永五年(一八五二)岸幕善次郎によって建造
大正十年(一九二一)の大改造を経て今に至る
山車全体を埋め尽くす立川流の彫刻の中にあって
ひときわ山子の自慢なのが脇障子「風神・雷神」
信州諏訪の立川和四郎 三代目富重の作
職人としては脂の乗り切った頃の力作であろう
その芸術的価値は高く曳廻しの破損を恐れた殿山は全く同じものをもう一対初代彫常
に依頼した
さてここまでは地元では有名なお話し
殿山から仕事を請け負った彫常さん
内心どんな想いだったのだろう?

“よござんす喜んでやリましょう”
あくまで真摯に立川流に触れるいい機会として
仕事をしたのかはたまた
“なにぃ!複製を作れだとぉ?”
口には出さないが対抗心剥き出しの熱い想いで
仕事をしたのか
遠き時代半田の山車三十一輛に
彫常さんが遺した功績は図り知れない
噛みしめるべきはその文化的価値の高さであろう

改めて二対の脇障子を放射状に並べてみる
欅自体の厚みと錺金具を見なければ
やはり見分けが難しい
一堂に並べても答えは出なかった
ただその場の空気がピーンと張り詰まったのは
気のせいだろうか

乙川人が大切に守る二対の脇障子
どちらも“お宝”である
平成18年ポスターのコピーライトより


●乙川祭平成18年度カレンダー
非売品
Copyright(c) 1998-2005 nova OwarinoDashimatsuri All right reserved
尾張の山車まつりトップページへ 先ほどのページに戻ります

[書籍紹介]−[乙川ポスター&カレンダー]