有松祭り〜東町「布袋車」

10-01-14更新

この山車は明治24年(1891)に名古屋袋町の古道具屋で売られていたのを東町の有志が1,300円の寄付を募り買い取ったものといわれます.
「布袋車」と呼ばれるこの山車は、名古屋城下の若宮祭の祭車で、延宝2年(1674)創建と伝えられ、この山車は明和5年(1768)に下玉屋町(現名古屋市中区栄3)で作られた由緒ある山車です.
かつて本町の大通りを曳かれた山車でもあり、堂々とした幅員を持つ風格を漂わせた山車です.

山車本体の他に、文字書きのからくり人形、山本梅逸下絵の大幕など水引幕を除き一式が揃っており、山車本体も出高欄などの改造はされておらず往時の姿がよく残されています.

■山車幕

大幕は、旧下玉屋町時代から伝わるもので、現存する名古屋の山車では唯一山本梅逸の下絵になる貴重なものです.
 四神(龍亀麟鳳)を金糸・銀糸の刺繍で仕上げており、後面は柳沢吾一の書.
文化9年(1812)制作

山本梅逸(やまもとばいいつ)
天明3年(1783)〜安政3年(1856).名古屋天道町に生まれる.幼少から絵を好み山田宮常・張月樵に画法を学び、22歳の時京へ上る. 晩年帰名し安政元年(1854)尾張藩の御用絵師に任ぜられ、士分に取り立てられる.尾張南画の代表的存在で、花鳥山水にすぐれた作品群を残している.

左側面

後部

右側面

■水引幕

「白羅紗に雲鶴の刺繍」
水引幕は山車に付属していなかったようで、有松に来てから制作されました.
明治25年(1892)制作

■山車の特徴

高欄下の彫刻

宝尽くしの彫刻
寛政6年(1794)

格天井は二重折上げ天井

山車の方向転換は後部を持ち上げる
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