12-02-28更新

常滑市大野祭り〜権現町「権丸」

港と海に面した権現町は、大野祭りに「権丸」という巻藁船(まきわらぶね)で参加します.

権丸は専用の山車船二艘を繋ぎ合わせ、名古屋型の櫓(やぐら)を組んだ上に1年の日数を表す多数の提灯を半球状に飾ります.またその中心に伸びる芯柱には1年の日数を表す12個(うるう年は13個)の赤い提灯を飾っています.

半球状に飾った巻藁と芯柱に飾る12個の提灯は、尾張津島に伝わる天王祭を模したもので、尾張一円の天王祭に類似した巻藁船や巻藁山車が広まっています.知多半島でもここ大野の他に、上半田のちんとろ船や河和、阿久比などに見られます.
なかでも権丸が特徴的なのは、櫓(本体)が前棚を備える名古屋型であることと、巻藁が部分が回転する構造になっていることでしょう.

権現町の氏神は「江崎社」で、古くから海運で栄えた港に出入りする船の守護神として、江崎権現と称され崇敬を受けています.
祭船の起源は台風などの災害で記録が残されておらず不明ですが、安政2年(1857)の幕が保存されており、それ以前から祭船で祭りが行われていたことが判ります.
先代の権丸は昭和34年の伊勢湾台風で流出破損し、ながらく祭礼に参加できませんでしたが、難を逃れた櫓と提灯台座を使用し、新たに二艘の船を復元建造して昭和63年に復活しました.

 
芯柱
(うるう年は13個)

江崎社境内に脇にずらりと並んだ提灯.
大勢の人の手渡しにて船に飾り付けます

櫓(やぐら)

名古屋型山車と同様に、前方が一段下がった前棚があります.

祭礼時以外は江崎社に保管されています.FRP製

 

夜神楽 

回転する提灯

提灯の回転

本楽では色とりどりの風船が空を舞う