10-02-28更新

常滑市大野祭り

日本最古の海水浴場として名高い大野町.古くより醸造や廻船業、鍛冶、木綿などで栄え、江戸時代初期には知多半島屈指の港町でした.

今も狭い路地や町並みなどに当時の面影を残す大野の祭りに、高須賀町の小倉神社、十王町の天満社、橋詰町の風の宮社から山車がそれぞれ1輛ずつ曳き出されます.また権現町の江崎社からは権丸が登場します.
大野橋の上にこれら3輛の山車と、矢田川に浮かぶ巻藁船の競演が大野祭りの見所となっています.

祭りの起源は不明ですが、宝暦5年(1755)に尾張地方の祭礼を調査した記録「尾陽村々祭礼集」によると、『牟山権現祭礼八月晦日、山車一輛高須賀町より右社迄引渡(以下略)糸からくり幕水引共木綿人形衣装(以下略)』とあり、この当時から既に山車祭りが行われていたことがわかります.

また同じ「尾陽村々祭礼集」に『内宮祭礼六月十六日、山車一輛鍛冶町より橋詰迄引渡車人形業平二条后(以下略)』とあります.内宮は現在の「内宮御祭宮社」の事だと思われますが、内宮御祭宮社でも山車祭りが行われていたのか、或いは橋詰町の先代山車を示しているのでしょうか.

■祭礼日
5月3・4日
■交通
名鉄常滑線大野町駅下車 ・臨時駐車場なし
■見所
夜神楽の大野橋、本楽の大野橋の出会いとからくり人形

■山車詳細

高須賀町・唐子車

橋詰町・紅葉車

十王町・梅栄車

権現町・権丸

小倉神社 風の宮社 天満社 江崎社
からくり人形 からくり人形 からくり人形
寛保元年(1741) 文久3年(1863)  嘉永元年(1848) 昭和63年(1988) 

宵神楽

5月3日は宵神楽(よしんがく)です.
提灯に彩られた山車が夕刻になって北から唐子車、南から梅栄車と紅葉車が大野橋に集まってきます.
そして陽が暮れる頃、矢田川を上ってきた権丸が神楽に合わせ提灯を回転させる頃、祭りはクライマックスを迎えます.

 

大野橋

本楽

5月4日は本楽です.朝、出会いの儀を終えた3輛の山車は小倉神社に並びます.小倉神社と名鉄大野町駅前でからくりを奉納した後、揃って江崎社で再び神前にからくりを奉納します.
午後は大野橋で3輛の山車が並んで権丸を迎えます.

大野の氏神は、かつて高須賀町・橋詰町・権現町が小倉神社.十王は宮山の天満社の氏子でしたが、現在では橋詰町は風の宮社(風宮神社)に、権現町は江崎社に変わり、それぞれの神社の祭礼として行われています.


江崎神社


大野橋

大野橋

きたまつり

大野の南側、西之口地区と5年ごとに合同で開催されるのが「きたまつり」です.
大野3輛の山車が西之口地区へ、西之口2輛の山車が大野地区へ互いに曳き込まれて、また大野橋では権丸も参加して、5輛の名古屋型山車とともに勢揃いします.


名鉄大野町駅前にならんだ5輛の山車

大野橋のたもとで

大野橋です
参考資料:常滑市誌、他